One is too many: 情報収集について

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One is too many.

 

恋愛において、相手が一人しかいないと、その人に全てを奪われてしまいますよ、といった意味の、アメリカ人作家の言葉らしいですね。

うーん、深いですな。

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外山滋比古大先生はこの格言が気に入っているらしく、著作の中で何回も引用されています。

外山先生は恋愛指南をしたい訳ではなく、この考え方を学問にも応用しなさいと言っています。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

 

参考書が一冊だけでは多すぎます。

つまり、一冊だけですと、一人の著者の考え方に囚われてしまい、視野が狭くなってしまいます。

外山先生は、手に入るだけの情報を、いくつも見比べて、じっくりと咀嚼し、味わい、発酵させ、気に入ったものをぐびぐび飲みなさいと仰っています。

この方法を、共観主義と定義されています。(共産ではありませんよ)

知識をアルコール飲料に例えるのも粋ですね。

 

確かに、新しい分野を勉強する際、ある本の説明ではいまいちだった概念が、他の参考書で異なる言葉で解説されるとすっと理解できることがあります。

著者にも専門によって得意不得意分野がありますので、同じ本の中でも、殆どの項目については非常に分かりやすい解説をしていても、ある分野では曖昧な説明で要領を得ない場合もあります。

 

同じような意見を、池上彰さんも書いています。

池上彰の新聞勉強術 (文春文庫)

池上彰の新聞勉強術 (文春文庫)

 

オシント(open-source intelligence)なんて書くと硬いですが、大学生は日頃の情報収集が欠かせません。

就活では当然必須ですが、編入試験でも、流れとしての、広義の時事問題、一般常識は必要でしょう。

近年はスマホでネットニュースも閲覧できますが、一番確実であるのは矢張り新聞による情報収集だと思います。

 

本題に戻りますが、池上さんは、新聞もできるだけ読み比べることを勧めています。

ある新聞社一紙のみに頼ってしまうと、偏向報道や、報道しない自由を行使している事に気付けない為ですね。

同じ事件の報道でも、ある新聞社では好意的な解説をし、他では否定的な論説を書いたりしている場合があります。

例えば、世論調査内閣支持率が丁度50%だったとしましょう。

国民の半数以上が内閣を支持、といった報道と、国民の約半数が内閣を否定、といった報道では、同じデータを使用していても正反対の印象を受けますよね。

池上さんは、そういったバイアスがかかるのを防ぐ為にも、複数紙の読み比べを勧めています。

 

参考書による知識獲得でも、新聞によるオシントでも、複数の情報源を上手く扱うことが重要ですね。

しかし、我々編入生には、時間的にも、経済力的にも、複数紙を購読したり、何冊も参考書を熟読したりするのは不可能ですよね。

 

そこで、大体何冊を読めば良いのか、については元外交官の佐藤優さんが、以前も少し紹介した以下の本で解説しています。

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

 

 佐藤優さんが提唱しているのは、まずは奇数冊入門書を読め、といった方法です。

余裕がなければ最低でも3冊、詳しく勉強したい分野であれば場合は5冊読むことを勧めています。

 

編入勉強で現実的なのは、一冊は購入し熟読し、後は大学図書館等で借り、気になる項目を参照するといった方法ではないでしょうか。

 

一冊に執着してしまうと、一人の著者の思考監獄に囚われてしまいます。

聖徳太子の如く10の意見を同時に聞く必要はないですが、三冊くらいなら丁度良いのでは。

 

 

今回の、One is too many、一冊では多すぎる、といった意見は、あくまでも新知識の獲得、情報収集する際のものです。

問題集などの場合は、一冊を極めるつもりで繰り返し反復し反芻する方が良いと思います。

また、個人的な意見ですが、恋愛に関しても、私は一人を追っかけていたいタイプですね。

それでは皆様、これからも楽しく勉強生活を送りましょう。

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